ホワイトオークを所有する江井ヶ嶋酒造株式会社が創立されたのが1888年。そして1919年にはウイスキー製造免許を取得した、日本で最も海に近い蒸留所です。一般的に日本のウイスキーの歴史の幕開けは、1924年にサントリーの山崎蒸溜所が作られたときだと言われていることを考えると、これは驚きです。当時の江井ヶ嶋酒造にはポットスチルがなく、どのようなウイスキーであったか記録は残っていないようですが、明石には90年以上ウイスキーの伝統があるのは確かな事実です。その後きちんとしたポットスチルが導入されました。1981年、戦後の経済成長とウイスキーブームに乗じて、生産量を増やそうと会社は蒸溜所の施設を一新。ホワイトオークは90年にもわたるウイスキーの歴史を経て、「あかし」というシングルモルトのブランドを世に送り出しました。瀬戸内海に面したこの前向きで技術に裏打ちされた蒸溜所は、肥土伊知郎氏が秩父に構える非常に刺激的な新蒸溜所とあいまって、日本のウイスキーシーンに今後、面白いほどの多様性をもたらしています。