■白州・森の恵み
日本の自然の恩恵を、最大限ウイスキーづくりに生かすことのできる場所を求めて、私たちは白州の森に出会いました。
豊かな森にあふれる自然の恵みは、シングルモルトウイスキー白州の味と香りもまた豊かにしています。
人と森とがつくるウイスキー。
それがシングルモルトウイスキー白州なのです。
■白州の環境と歴史
北に八ヶ岳、西に甲斐駒ヶ岳を戴き、深い森と幾多の清流に囲まれた白州蒸溜所は、「森林公園工場」というコンセプトの下、自然との調和を最優先に建設されました。
延べ面積約82万m2という広大な敷地には、民間工場では日本初の「バードサンクチュアリ」も設けられ、一年を通じて50種ほどの鳥たちの姿を見ることができます。
設立以来、白州蒸溜所はその豊かな自然環境と共に、ウイスキーの新しい味と香りを追求しつづけています。
■匠のこだわり
白州の自然の恵みは、ウイスキーを仕込む「人」によって活かされています。
職人と技の心。
サントリーが長年の試行錯誤によって培ってきた、シングルモルトウイスキー白州独自の個性を際立たせるこだわりの数々を紹介します。
■発酵へのこだわり
サントリーのウイスキーづくりでは、麦汁の発酵にじっくりと時間をかけています。
長年の研究と経験を生かして、数百種の中から酵母を厳選。
ディスティラーズ酵母に加え、あえてエール酵母を使用し、クリーミーでフルーティーな味わいを引き出しているのです。
また、白州蒸溜所では森の乳酸菌の働きを促すために、昔ながらの「木桶発酵」を少し長めに行い、爽やかなのに味わい深い、 白州独自の風味を生み出しています。
■蒸溜へのこだわり
発酵を終えた麦汁(もろみ)はポットスチルと呼ばれる銅製の釜で、初溜と再溜、二度にわけて蒸溜されます。
白州蒸溜所では直火にこだわり、初溜にはすべて直火加熱式のポットスチルを使用。約1200℃の直火が、より多くの香味成分をつくりだします。
また、白州は世界的にもユニークな複合型蒸溜所であり、複数の異なる形状のポットスチルを使用することで、ライトなものからヘビーなものまでモルトをつくり分けているのです。
■熟成樽へのこだわり
同じ原酒でも詰める樽によってその味わいが変わるため、サントリーでは熟成樽にもこだわっています。
バーレル、ホッグスヘッド、パンチョン、シェリーバット。 樽の種類だけでなく、ひとつひとつの樽の前歴※1や、樽内部の焼き具合※2などを考慮し、細やかに樽を使い分けることで熟成をコントロールしているのです。
樽に詰められた原酒は長い年月、森の湿潤な大気の中で呼吸を繰り返し、次第に白州ならではの味と香りを宿してゆきます。
※1 樽の前歴:どんなお酒を熟成してきたか、何度目の熟成かなどの経歴
※2 樽内部の焼き具合:樽の熟成力を蘇らせるため、樽の内部を焼く工程がある
■ブレンドへのこだわり
異なるタイプの酵母や発酵槽、ポットスチルや熟成樽を使い分けることで白州では実に多種多様な原酒を生み出しています。 そうして生まれた個々の原酒の個性を生かし、調和させ、ひとつのウイスキーへまとめ上げるのがブレンダーの仕事です。
1日に200~300種類もの原酒をテイスティングし、その味と香り、個性を見極め、試行錯誤を重ねながらイメージする最良のウイスキーへ近づけていく。
豊かな経験と感性に裏打ちされた熟練の技が、シングルモルトウイスキー白州の味わいを支えているのです。