クリュッグは、1843年にドイツのマインツ出身で後にフランスへ帰化したジョセフ・クリュッグにより、ランスに創立され、シャンパーニュ・ハウスとしての歴史は比較的浅いものの、非常に高名で、非常に高価なこのシャンパンのユニークぶりは「クリュギスト」なるフリークをも生み出しています。 資金調達のために大手企業(レミー・マルタンの傘下からLVMHの傘下へ)から財政援助を受けていますが、事業自体は5代目アンリ・クリュッグ氏が社長を、弟のレミ・クリュッグ氏が、そして次期6代目オリヴィエ・クリュッグ氏、キャロライン女史が、その伝統的な醸造方法を固く守りながら運営していますが、クリュッグでは創立以来醸造長をおかず、社長自らがシャンパン造りを担う点は頑な内守り続けられています。 また、1970年になるまで自社畑を所有していませんでしたが、安定的なブドウの確保のために、1970年〜1972年にかけてレミー・マルタン社の援助を受け、全て100%格付けのブドウ畑26.74haを取得し、毎年ブドウの自給率も40%になりました。 その後、レミー・マルタン社からルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー(LVMH)へ傘下が移行した1999年以降、さらにエンジンパワーが増強され、ワインの遇し方を心得ている同じ傘下のヴーヴ・クリコのチームと緊密に組んで仕事をしており、望みどおりの偉大なシャンパン造りを目指しています。