ピエール・カロ知らざれる単一畑の銘酒、アヴィーズにありコート・デ・ブランのアヴィーズ村に本拠を構えるピエール・カロは、ボランジェにブドウを提供している知る人ぞ知るレコルタン。アヴィーズ、クラマン、シュイイ、グローヴの4つの村に合計7.25ヘクタールの畑を所有しているが、そのうちの2.25ヘクタールで栽培するブドウはすべてボランジェに卸している。また、ボランジェがアヴィーズ村に所有する0.6ヘクタールの区画の栽培も小作契約で任されているレコルタンでもある。つまり、カロの造るブドウはボランジェも惚れ込むほど、極めてクオリティの高いものなのだ。しかし、カロは自身のドメーヌ・シャンパーニュでも高い評価を得ている。『アシェット』には毎年掲載される常連でもあるし、『クラスマン(現メイユール・ヴァン・ド・フランス』)においては、「クリュッグ・スタイルの熟成に値するシャンパーニュ!」とまでコメントされているほどだ。また、その卓越した技術から、同村のジャック・セロスとはなにかにつけ比較されることが多い。栽培は環境に配慮したリュット・レゾネを実践しており、土も耕耘している。その他、年間を通じて行われる畑での作業のすべてが手作業で行われ、ブドウも丹念に手摘みで収穫している。所有する畑で栽培されるブドウのうち、5ヘクタールで収穫したブドウのみがドメーヌのシャンパーニュの醸造に使われ、既述の通り、2.25ヘクタールで栽培されるブドウは、すべてボランジェが購入している。ドメーヌの元詰めシャンパーニュの年間総生産量は4万本前後しか造られないこともあり、毎年、フランス国内の古くからの顧客を中心に直販され、国外に輸出されるのはごく僅か。現在、フラッグシップ・キュヴェの「クロ・ジャカン」をはじめ、6種類のキュヴェを手掛けている。ドメーヌで栽培するブドウの1/3をボランジェに提供し、ボランジェ所有の畑のブドウ栽培も行うアヴィーズ村屈指の新世代RM、それがピエール・カロ・エ・フィスだ。