1930年から続くドメーヌで、現当主ヴァンサン・ルブッフ氏は4代目になる造り手、ピエール・ルブッフ。ドメーヌ名であるピエールはヴァンサンの父であり、1989年にドメーヌを引き継ぎ現在に至っています。畑はAy村(Grand Cru)に2.7ヘクタール、Mutigny村とAvenay村(共に1er Cru)に1ヘクタールづつ畑を所有しています。すべての畑をはほぼ有機栽培に近い、減農薬農法を取り入れており、ピノ・ノワール60%とシャルドネ40%を栽培しています。 畑を4.7ヘクタールしか所有していないうちの半分をネゴシアンに販売していまい、残りの半分を元詰めしています。(ネゴシアン販売分の大半はヴーヴ・クリコに卸しています。)したがって、ピエール・ルブッフの名で販売されるシャンパンはごく僅かしかありません。なんとフランス本国ですらこのシャンパンを買うことができるのは、ロワールにある『Chalon Sur Saone』という酒屋1件のみです。 圧倒されるまでのきれいな香りながら優しさにち溢れ、印象は柔らかい。このシャンパンには1本芯の通ったしっかりとした骨格とミネラル感、後半にほのかな苦味を伴う味わいがあり、おそらくこのシャンパンでAy村のテロワールを表現したかったであろう、造り手の信念が見えます。