リリー・ラ・モンターニュ村の中心にあるメゾンは、1890年からシャンパーニュ造りを始めていたそうですが、前当主のルネ・シャン氏によって大幅なクオリティアップが実現されたとのこと。樽職人かつステンドグラス作家であるルネ・シャン氏は、当時から有機栽培を推進し、それは現当主の息子・ローラン・シャン氏に引き継がれました。 同村と同村を取り巻く畑のベストパートのみを所有し、11haの畑から年間約7000ケースのみのシャンパーニュをリリースする。除草剤、化学薬品を一切使用しないビオロジックによる栽培と徹底した収量制限を施された葡萄そのもののポテンンャルは驚愕に値する。 ヴィルマールのシャンパーニュの品質を他のハウスから際立たせるのが「同家伝統の木樽発酵、樽熟成」。シャンパーニュ全土においてもクリュッグやジャック・セロスといった名立たる生産者のみが時に取り入れる手法である。ノンヴィンテージは全てフードル(50hl)で、ヴィンテージはバリック(225l)で熟成。 特にヴィンテージシャンパーニュは、オークの小樽で醗酵・熟成させられることによって酸が穏やかになり、クリーミーな丸みを帯びるようになるとのこと。マロラクティック発酵は行っておらず、この樽の利かせ方が絶妙です。 別格のワインだけが持ちうる気品と風格を纏う同家のシャンパーニュは、その卓越した樽使いから「レコルタンのクリュッグ」と絶賛されフランス国内の数多くの星付レストランがその少ない生産量を競ってオンリストする。