ブラーヌ カントナックは、ボルドーでも最も名の知られたワインのつくり手の一族が所有している。リュルトン家が住む地味なシャトーは、ブドウ栽培の歴史上18世紀初めにまでさかのぼることができる。19世紀に、ワインの名前(バロン・ド・ブラーヌ)にもなったブラーヌ男爵が所有者であった頃のこのシャトーは、傑出した評判を得ていた。現在ムートン・ロートシルトと呼ばれるポイヤックの有名シャトーを所有していたこともあるブラーヌ男爵は、非常に尊敬されたワインのつくり手であり、強固な政治的人脈を持ち、1855年の格付けの際は、それほどの水準のワインを生産していないとの異論があったにもかかわらず、ブラーヌ=カントナックは二級に格付けされた。現在、グラーヴとアントル=ドゥー=メールにかなりのシャトーを持つリュルトン家は、ワインづくりにたずさわる一族としてはこの地区で最大である。 メドック最大のシャトーの1つであるブラーヌ=カントナックの広大なブドウ畑は、カントナック村の西、ジロンド河からはかなり内陸に入ったところにある。出来のばらつきは、劇的に改善され、品質のレベルは回復した。ブラーヌ=カントナックのワインは、外向的で果実味に富み、やわらかなスタイルにつくられており、15〜20年は持ちこたえるが、若いうちから気軽に楽しめる。 ル・クラスマンはブラーヌ・カントナックについて、1996年からシャトーを指揮するオーナーのアンリ・リュルトンは、このヴィンテージから本来の水準、つまり格付け第2級に期待される高貴な豊満さを取り戻した。カントナックに位置し、広大な面積を誇るシャトー・ブラーヌ・カントナックは、長年荒削りで印象の薄いワインを造っていた。しかし今日では、テクスチャーの密度、輪郭のはっきりとしたアロマに加えて安定性もかなり向上している。2001年は上品で優雅なマルゴーらしい高貴さのあるワインで、豊満な構成も文句なしである。見事な出来の2000年以降は、このクリュが返り咲いたのを裏付けるような質の高いワインを造り続けている。セカンドワインは非常に見事なできばえで、2001年と2000年はマルゴーの特徴がよく出ている。 シャトー・ブラーヌ・カントナック 2013年かぐわしく濃厚な格付マルゴーとして定評のメドック・グラン・クリュ・クラッセ格付第二級。
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