ボルドーの格付けシャトーで最もお値打ちなワインであり、1978年以来、ずっと出来にバラつきがないのが強みのシャトーです。「テルトル」とはフランス語で「高台」の意味で、名前の通りシャトーはマルゴーのアペラシオンで最も高い台地にあります。 このシャトーで最初に改革を起こしたのは、1961年にこのシャトーを手に入れた【フィリップ・カプベルン・ガスクトン氏 Philippe Capbern Gasqueton】です。あの【シャトー・カロン・セギュール】の所有者でもあった人です。 当時、哀れな状態だったシャトーを建て直し、ブドウを植え替えるために大規模な計画に着手しました。 その後、1998年には[シャトー・ジスクール]も所有するオランダ人実業家 [エリック・アルバダ・イエルヘルスマ氏(Eric Albada Jelgersma)]に買収され、さらなる劇的な変化を遂げています。ブドウ畑の整備や醸造設備の刷新など、お金をかけてより高品質なワイン造りがはじまり、しなやかな味わいの中にも果実味の集中力が増すワインを造り始めました。シャトー・ジスクールの兄弟シャトーとして有名になり、今やジスクールと競うようにしてクオリティを高めています。良いヴィンテージの特徴としては、深みのある色とあふれんばかりの力強さや豊かさ。ただ力強いだけではなく、優しい余韻やしなやかさも持ち合わせたバランスの良いワインです。 外観は深みのあるダークチェリーの色調。グラスに注ぐと黒スグリ、ラズベリーやドライフルーツやレーズン、ヒマラヤ杉のニュアンスを含む香りに、スミレを思わせるフローラル、コーヒーなど様々な要素のアロマ。グラスを回すごとにマルゴーのアペラシオンらしいスミレのアロマが広がります。口当たりはビロードのように滑らかで綿密、味わいも凝縮した果実味と豊かなタンニンの、しっかりとした骨格がある筋肉質な仕上がりです。厳格ながらも、見事な凝縮感のあるスタイルで、フィニッシュは焦点が合っており、タバコのニュアンスを漂わせた余韻が長く続きます。
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