シャトー・パルメは19世紀初頭にこの地を訪れたイギリスの将官チャールズ・パーマー氏が、前身となるシャトーを購入し、その名にちなんでパルメの名前が付けられました。マルゴー村の三級格付けながら、一級シャトーにも比肩するほどのワインを生み出す人気のシャトーです。特に1970年代、この地のトップに君臨する一級格付けシャトー・マルゴーが低迷した時代には、マルゴー村の実質的なトップシャトーとして評価されていました。現在もその品質の高さはよく知られており、ボルドーの中でも五大シャトーに次ぐトップクラスの価格で市場取引される人気シャトーの一つです。
小塔のある印象的なパルメのシャトーは、 小さなイッサン村の真ん中にあり、ボルドーのワイン街道のすぐ脇にたたずんでいます。 手摘みの葡萄は、醸造所に届くとすぐに畑の区画と品種ごとに慎重に分類され、 なんと42もの区画ごとに最適な方法で醸造されます。 ワイン造りの特徴としては、 他のシャトーに比べてメルロの比率が高いことが挙げられます。 これがマルゴーらしい香り高さや華やかさの他に、 ポムロルのような豊かさや肉付きの良さを与えています。 決して、樽香が強く出過ぎることがないパルメは、 最初の数年は控えめな印象ですが、 次第に洗練というよりも心が安まる穏やかなブーケを育み始めます。 その柔らかさが、気高いシャトー・マルゴーとも最も異なる点でしょう。 外観は深みあるガーネットパープル。 メルローからもたらされる華やかな果実の香りとマルゴーらしい豊満なボディにエレガントな味わい。 熟成が進むにつれてタンニンがシルキーかつ柔らかく変化し、アロマもより一層華やかになることでしょう。