アマローネは、古くは王族や貴族しか味わうことができなかった希少かつ高級なワインです。イタリア語で「苦い(アマーロ)」という意味を含み、トロリとした質感とチョコレートのような苦味、焦げたような独特の苦みを持つワインです。アマローネはブドウを陰干ししてから使用するため、水分が減って凝縮され、生産量は極めて少なく、ワインが出来上がるまでに、非常に手間がかかります。使用するぶどうは、ぶどうが十分に熟した10月ごろ、品種ごとに手摘みで収穫します。その後、一房ずつ丁寧にチェックして、熟していない実や傷んでいる実を取り除きます。厳選されたブドウは、風通しの良い専用の部屋で陰干しします。陰干し期間はおよそ3~4カ月。その間、すのこ状の板の上に丁寧に並べられたブドウを毎日確認し、カビが生えていないかなどのチェックが必要です。陰干しが終了するころには、ぶどうの水分が40%ほど失われ、凝縮した濃厚な果汁を得ることができるのです。これを発酵させた後、樽で2年以上熟成させ、瓶詰めします。そして瓶詰め後、6カ月以上の瓶熟成を経て、ようやくリリースされるのです。陰干し期間、樽熟成期間、瓶熟成期間、イタリア固有品種であるコルヴィーナ・ヴェロネーゼ種、ロンディネッラ種、モリナーラ種の使用、最低アルコール度数など、多くの規定をクリアしていなければ「アマローネ」と名乗ることを許されません。