フェルミエは日本一の大河 信濃川が注ぐ日本海にほど近い海岸砂丘に位置しています。「海と砂のテロワールが育む新潟の個性溢れるワインを造りたい」と決意し、脱サラして家族とともに東京からこの地に移り2006年にワイン造りを始めました。私は「ワイン」はその土地の自然を現す農産物であるべきと考えますし、「フェルミエワイン」とは、農家製のワイン(フランス語)を意味します。
越前浜の砂質土壌は、ワイン用ぶどうの栽培に適した水捌けが良く、痩せた土壌です。この地でのワイン造りの経験を重ねることで見えてきた一つの方向性は、砂質土壌らしい「エレガントな香りのアタックと長い余韻、繊細で優しい味付きながらも旨味に溢れ目が詰まっている」ワインのスタイルです。
そして、そのようなワインを生み出すプロセスに関して、畑の土壌・生態系に関わる栽培環境へのアプローチや、酵母・微生物の働き等に関わる醸造手法はよりナチュラルな手法を志向するようになりました。
その土地の特徴を表す良いワインは、必ずしも大きな資本のもとで最新鋭の高価な設備を利用して合理的に大量生産することによって生まれるとは限らず、少量でもヴィニュロン(=栽培や醸造を手掛ける造り手)が「その土地に誇りを持ち、自然の営みを尊重して惜しみなくぶどうに愛情を注ぎ、そうしてできるぶどうを信頼する」ことにより生まれると信じています。
(フェルミエワイナリー「ホームページ 」より)