もともとワインなるもの、その歴史は古く、人類が地球上に出現してほどなく生まれたと言われている。以来人々は、ブドウの樹を「生命の樹」と呼び、酒の神ディオニソス、別名パッカスをあがめて、ワインをつくってきたのである。
澄んだ空気ときれいな水…。豊かな自然に恵まれたここ(旧)朝目村でも、ワインという名所も知らなかった昔から、地元の人々や修験者たちが野生の山ぶどうから「どぶろく」を作り、滋養強壮、あるいは貧血、疲労回復などに効能があるとして愛飲する風習があったという。いうなれば(旧)朝日村のディオニソスは、霊峰出羽三山の修験者たちといったところか。
ただ、自分たちでつくって自分たちで飲んでいるうちはよかったものの、それを誰かに「分けてあげる」となると、税務署が黙ってはいない
。 おりしも一村一品のブーム。北海道で山ぶどう系のワインを造ったという話を耳にして、「山ブンドならなんぼでもある。おら方でもやってみんべ」となった。
昭和40年代後半のことだった。
(月山ワイン山ぶどう研究所「ホームページ 」より)