1849年、フランスのアンジェで菓子職人のアドルフ・コアントローと弟のエドゥアール・ジャンによって新しい蒸留酒を作りました。
その地域の独特なフルーツをブレンドしたものでしたが、たちまち大評判となり、最初の「コアントロー」蒸溜所を設立する原動力になりました。
その後、ヨーロッパ中を旅していたエドゥアール・ジャンの息子エドゥアールは、新しい魅力のある、より洗練された蒸溜酒をめざし、ビターオレンジ果皮とスイートオレンジ果皮による完璧なブレンドをつくり上げて「コアントロー」を誕生させたのです。
20世紀の初頭、「コアントロー」はグローバルブランドの片鱗を見せ始めます。エドゥアールのふたりの息子であったルイとアンドレが、ヨーロッパからロシア、北アフリカ、そして中近東まで出向き、事務所を開設するとともに販売先を広げていきました。
絶大な人気を誇るコアントロー。 バーで必ず取り扱うリキュールとして、世界中のバーテンダーから絶大な信頼を受け、支持されています。
「コアントロー」は、オレンジの果皮からつくられる、世界で最も有名なホワイトキュラソーです。自社農園で丁寧に栽培されたビターオレンジとスイートオレンジの果皮からエッセンスを抽出し、絶妙なバランスでブレンド。ここから生まれる洗練された味わいには、オレンジのほのかな香りが漂います。
創業当時からの最大の難問は、オレンジ果皮のブレンドバランス。常に同じ風味を造り出すためには、スイートオレンジとビターオレンジの果皮を絶えず絶妙なバランスでブレンドする必要があります。このブレンドを実現するため、蒸溜は19基の赤銅コラム(柱状物)式蒸溜器で行われています。まずオレンジ果皮とアルコール、そして水の混合物からエッセンス油を抽出する最初の工程(漬浸)を経て、蒸溜過程の液から最も芳醇なエキスを分離します。さらにこのエキスは完璧を期すため最も必要な要素だけを分解。これによって「コアントロー」のこのうえない透明度と明るさが液体にもたらされます。