アードベッグ蒸留所は、アイラ島南部の海沿い、大西洋の波に洗われる岩の多い小さな岬に1815年に設立されました。アードベッグとは、ゲール語で「小さい岬」という意味。蒸留所の立地がそのまま名称になっています。蒸留所は数奇な過去をたどり、80年代には閉鎖を余儀なくされたこともありました。不死鳥のごとく復活を遂げるには、1997年のグレンモーレンジィ社による買収を待たねばなりませんでした。現在生産量は年間約100万リットルで規模としてはアイラ島8つの蒸留所のなかでキルホーマンにつぐ小さいサイズです。75%が自社のシングルモルトとブレンデッド用で25%がカスタマー用。シーバスリーガルやバランタイン、ディアジオ社のブレンドにも使われる通に絶大な人気を誇るピーティでパワフルな“究極のアイラモルト”です。 アードベッグ10年のオフィシャル・ボトルは一度終売になっていましたが、2000年から再発売となりました。再開後は自社での麦芽乾燥をしなくなったため、以前の物よりは少し大人しくなった感じがしますが、親会社のモーレンジの流れを汲んだ味わいが加わり、きれいなモルトとなりました。