ダルモア蒸留所のボトルには凛々しい牡鹿が描かれていますが、これは蒸留所が位置するロス州一帯が、かつて鹿撃ちで有名だったことによるものと思われます。また、牡鹿はかつて蒸留所を所有していたマッケンジー家の副紋章でもあるそうです。 ダルモアはゲール語とノース語（ヴァイキングの言葉）の両方に起源をもつ語で、「川辺の広大な草地」を意味するとか。アレクサンダー・マセソンによって蒸留所が建てられたのは１８３９年のこと。 １８６７年にこれを地元の農夫マッケンジー兄弟が入手した。マッケンジー兄弟は、かの有名なブラック＆ホワイトを生んだジェームス・ホワイトとチャールズ・マッカイの共通の友人で、そういう関係からずっとホワイト＆マッカイの核となる原酒モルトとなっている。 ポットスチルは1966年に4基から8基に増設されたが、形が非常にユニーク。初留釜はランタンヘッド型にT字シェイプ、再留釜は首の部分がチューリップの花のように上にいくほど広がっている。これはネックの周りにウォータージャケットを取り付けているためで、これによってアルコール蒸気を冷却、重くてオイリーなモルトを還流させる役目を担っている。そのうちひとつのウォータージャケットはなんと1874年製のものが、そのまま使われている。 創業年：1839年 仕込み水：アルネス川 ポットスチル：ランタンヘッド型 初留釜x4基 再留釜x4基 ブレンド銘柄：ホワイト＆マッカイ ゲール語：川辺の広大な草地