メドックの格付けは1855年、パリ万博が開催される際に時の皇帝ナポレオン3世が、仲買人たちの協力を得て当時の市場取引価格を元に、数多あるシャトーの中から、上位の人気シャトーを選び抜いた権威ある格付けです。なにしろ1855年の制定以来、一部の例外を除いて不変の格付けとして、今も世界のワインの頂点に君臨しているほどなのです。その中でたったふたつあった変化が、ひとつは有名な当初第二級だったムートン・ロートシルトが一級に格上げされたという出来事です。一般的にはこのエピソードのみが例外として知られていますが、実際には吸収によって消滅したシャトーがひとつあるのと、もうひとつあとから付け加えられたという稀有なシャトーが存在しています。それがこのシャトー・カントメルルです。カントメルルが格付けに追加されたのは、1855年9月。その理由は、実はカントメルルが知る人ぞ知る実力派シャトーだったことにあります。というのも、シャトーは独自にオランダへの販売ルートを持っていたため、仲買人を通して流通をしておらず、抜け落ちてしまっていたということです。ただ、その実際の取引価格は当初の五級格付けりシャトーをしのぐものでした。そのためその証明をしたことで、例外中の例外として、格付けがなされたのです。
http://www.cantemerle.com/fr/