シャトー・コス・デストゥルネル サン・テステフのトップに君臨するシャトー オリエンタルな雰囲気が漂うシャトー シャトー・コス・デストゥルネルの創始者は、ルイ・ガスパール・デストゥルネル。19世紀半ばに経営が難しくなり、そこからオーナーを転々とします。そして20世紀初頭にボルドーのワイン商、ジネステ社が購入。ジネステ家に数代受け継がれた後、1970年から1998年までブルーノ・プラッツ、その息子ジャン・ギョーム・プラッツへと引き継がれて多大な投資が行われ、品質面でも成功を収めてきました。しかし、フランスの家族経営は相続が大変難しく、1998年に資産家ミッシェル・レィビエ氏に売却されました。契約ではジャン・ギョーム・プラッツ氏が経営を続けるというものでしたが、結局2000年にジャン・ギョーム・プラッツ氏はモエ・ヘネシー エステート&ワインのCEOとなったため、レィビエ氏がオーナーとなりました。レィビエ氏は数多くのホテルの経営、ヘルスケア事業を行っています。ワイナリーはコス・デストゥルネルの他に、ハンガリー・トカイ地方のヘーツルーを所有し、2013年からは自身の名をつけたシャンパーニュも造りはじめました。レィビエ氏の御子息であるラファエル・レィビエ氏はトカイで修行の後、シャトーのチームに加わっています。
20に分けた区画を管理 シャトー・コス・デストゥルネルは北部メドック、サン・テステフ村に入ってすぐの所にあるシャトーです。『Cos(コス)』という名前は古いガスコーニュ地方の表現で『小石の丘』を意味しているそうです。 東と南南西に面した畑は、深い粘土砂利質の土壌で、斜めに粘土層が通っています。メルローは主に東向きの粘土石灰質土壌の畑に植えられ、カベルネ・ソーヴィニヨンは水はけが理想的な斜面の上に植えられています。絶妙な畑の向きと土壌の組み合わせが素晴らしいワインを産みだしているのです。コス・デストゥルネルの畑には20タイプもの土壌があり、これがワインに驚くような複雑味をもたらしています。それぞれの区画の特性をよく把握したうえで、ブドウ品種、樹齢、日照を考えながら細かい区画に分けて管理されています。 コス・デストゥルネルの畑の平均樹齢は45年ですが、古いものは80〜100年の樹もあります。生産力が落ち、普通よりもケアが必要な樹齢の高い樹は扱いが大変ですが、コス・デストゥルネルに今まで受け継がれてきたものを守り、味わいのスタイルを維持するには大事なことです。また、マッサルセレクション(シャトーの畑の樹から優れた樹を選び、接ぎ木して育てる方法)を採用。これもまた手間と時間がかかりますが、シャトーのワインを守っていくには、一番だと考えられています。